CATEGORY
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Flow Raman Spectroscopy for the Detection and Identification of Small Microplastics
小さなマイクロプラスチックを流通中に検出・識別するためのフローラマン分光法を提案した研究です。試料の液体をポンプで流しながら、個々の粒子にレーザーを当てラマン散乱スペクトルを取得することで、直径約4µmまでの微粒子の材質(プラスチック種)を識別しました。人工的に作製した様々な材質・形状の微小プラスチック粒子で実験し、水中からのリアルタイム検出が可能であることを確認しています。従来のフィルター捕集後に顕微ラマンで分析する方法に比べ、前処理なしで迅速に測定できる利点があります。このフローラマン法は、水道水・環境水の連続監視などへの応用が期待され、工業プロセスの液流中でプラスチック異物を同定する手段としても有用です
粒度分布 リアルタイムモニタリング マイクロプラスチック
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Optofluidic Force Induction: A Workbench for Nanoparticle Characterization and Material Analytics
OF2i技術を包括的に紹介するミニレビューです。OF2iは連続生産への移行が進む産業において、ナノ粒子の単一粒子レベルでの高速リアルタイム評価を可能にする「作業台」として提唱されています。本稿ではOF2iの物理原理(光学トラップと流体力学の組合せ)を解説するとともに、工業的に複雑なポリ分散系試料への応用例を示しました。例えば、粒径が数種類混在するポリスチレン微粒子混合物のサイズ分布を1時間にわたり連続測定し、各成分の分布ピークをGaussian mixtureモデルで解析することで5峰の分布を正確に再現しています。また最近の進展として、OF2iと他分析法の組み合わせ(ラマン併用によるマイクロプラスチック同定など)や、将来の課題にも言及しています。OF2iアプローチが研究開発から生産監視まで広範に応用可能であることを示す総説です。
粒度分布
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Tracking electrochemical reactions inside organic electrodes by operando IR spectroscopy
有機系電極材料内部で起こる反応をその場ATR-FTIR分光により追跡した研究です。赤外透過性のSiウィンドウを備えたスペクトロ電気化学セルを構築し、例えば有機ラジカル電極の酸化還元反応中に出現・消失する官能基の吸収ピークをリアルタイムで観測しています。ATR-FTIRにより電極内部の反応進行や中間体の生成を可視化でき、有機電極の反応経路や劣化要因の理解に繋がる知見を提供しています。
FTIR 電池材料 オペランド分光
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Multipass Raman gas analyzer for monitoring of atmospheric CO₂ and CH₄
大気中の二酸化炭素(CO₂)とメタン(CH₄)の監視のための多重通過ラマンガス分析計を開発。高感度により、これらの温室効果ガスの日々の変動をモニタリングすることが可能で、CH4の検出限界は100ppb未満が得られています。
ラマン ガス
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Continuous measurement of reactive ammonia in hydrogen fuel by online dilution module coupled with Fourier transform infrared spectrometer
水素燃料電池用のガス中のアンモニアの連続測定に、オンライン希釈モジュールとフーリエ変換赤外分光計(ODM-FTIR)を統合した新しい検出プラットフォームを開発。分析結果は満足のいくものであり、水素燃料電池中の微量アンモニア分析において重要な実用的意義を持つと評価されています。0.1〜2.5 MPaの圧力範囲で、低濃度のアンモニアを高感度で検出可能であることが示されています。
FTIR アンモニア ガス測定
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Raman gas sensing technology: A new horizon?
ラマン分光法は、赤外分光法やガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)と比較して優れた性能を持つが、実用化には課題がある。本研究では、ラマン分光法を用いたガスセンサーの現状と今後の展望について論じられています。
ラマン ガス分析
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Development of a novel semi-automated analytical system of microplastics using reflectance-FTIR spectrometry: designed for the analysis of large microplastics
ピンセットで扱えるようなサイズ(>500um)以上のマイクロプラスチック粒子の(半)自動化分析システムを開発について報告されている。大量の粒子の測定が要求されるマイクロプラスチック分析環境において、これまで、時間と労力を要するATR測定が採用されているが、開発した新しい自動化アプローチは、粒子のサイズ計測~同定までの従来のプロセスを劇的に加速させ、世界的なマイクロプラスチック分布の効率的な特定を可能にすると考えられています。この論文では、システムの概要から測定精度に至るまでが概説されています。
マイクロプラスチック 自動化 FTIR
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レーザーラマン分光法を用いたポリスチレン射出成形品の 分子配向解析
ポリスチレン成形品内部の分子配向状態をラマン分光で評価した国内研究です。1000 cm⁻¹と620 cm⁻¹のラマンピーク強度比(I_{1000}/I_{620})から配向度を算出し、成形品の試料厚み方向の配向分布を可視化しています。さらに熱処理条件に伴う配向性変化についても評価されており、試験片の400μm以深におけるコア層において、分子配向が緩和すること、また熱処理温度が高いほど、その緩和量が大きいことなどが示されています。
高分子 ラマン 配向
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Determination of the temperatures of the γ, β and α relaxation processes in nylon 6,6 by Raman spectroscopy
ナイロン6,6のガラス転移(α緩和)および副次的な緩和(β、γ)の温度域をラマン分光で特定した研究です。–120℃から+120℃の温度範囲でラマンスペクトルのピーク位置や半値幅を追跡し、C=OやC–C、N–H伸縮振動のピークパラメータに変化が生じる温度領域を同定しています。得られた緩和温度は熱分析や機械測定による文献値と一致しており、ラマン分光が高分子中の分子緩和現象(ガラス転移を含む)を検出できることを示しています。
高分子 ラマン ガラス転移
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Measurement of the glass transition temperature of an epoxy resin using principal components of Raman spectra
エポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度をラマン分光と多変量解析で測定した研究です。ラマンスペクトルから主成分分析(PCA)で温度変化に対応する特徴パターンを抽出し、非接触でTgを検出する手法を提案しています。ラマン-PCAによって得られたTgは従来法と一致し、試料表面から直接ガラス転移点を測れる可能性が示されています。この方法は硬化モニタリング技術への応用も期待されます。
高分子 ラマン ガラス転移