ACADEMIC REFERENCES

論文データベース

当社がピックアップした各種アプリケーションや材料評価などで役立つ国内・海外の論文を逐次紹介しています。
みなさまのお仕事に参考になれば幸いです。
*ここで紹介されている論文やその要約は当社が分野・内容ごとに独自にまとめたものです。
内容・詳細につきましてはオリジナルの対象論文をご参照ください。

Following domestic and international academic papers selected by our company that are useful for various applications and material evaluations.
We hope these will be helpful references for your daily analysis work.
*Those academic papers and their summaries introduced here are compiled independently by our company according to field and content. 
For content and details, please refer to the original papers.

  • Increased Cu(II) Adsorption Onto UV-Aged Polyethylene, Polypropylene, and Polyethylene Terephthalate Microplastic Particles in Seawater

    PE/PP/PETマイクロプラスチックを海水中で12か月UV老化させ、Cu(II)吸着能の変化を評価した研究です。FTIRスペクトルから、老化に伴いカルボニルなど酸化官能基が増加し、表面の極性・官能基密度が上昇したことを確認しています。それに伴いCu(II)吸着量は1.45〜2.92倍まで増加し、特に粒径が小さい粒子ほど影響が大きいことが示されています。塩水環境+光老化の組み合わせが、表面化学と吸着挙動を強く変えることをFTIRで定量的に裏付けています。

    Xiaoxin Han,Rolf D. Vogt, Jiaying Zhou, Boyang Zheng,Xue Yu, Jianfeng Feng, Xueqiang Lu

    高分子 マイクロプラスチック FTIR

  • The effect of weathering environments on microplastic chemical identification with Raman and IR spectroscopy: Part I. polyethylene and polypropylene

    PEおよびPPのマイクロプラスチックを、空気・純水・人工海水・実海水(Puget Sound)の4条件で最大26週間人工風化させ、IR(ATR-FTIR)とラマン分光で化学状態を評価した研究です。風化環境によりカルボニル指数などIRスペクトルの変化パターンが異なり、分解経路の違いが示唆されています。一方でラマンスペクトルは比較的類似しているが、結晶性/非晶質領域に対応するピーク強度変化から、配向・結晶化度の変化を読み取れることを示し、風化でIRマッチングが困難な場合にラマンが有効であると結論付けています。

    Samantha Phan , Jacqueline L. Padilla-Gamiño, Christine K. Luscombe

    高分子 マイクロプラスチック FTIR ラマン

  • Flow Raman Spectroscopy for the Detection and Identification of Small Microplastics

    小さなマイクロプラスチックを流通中に検出・識別するためのフローラマン分光法を提案した研究です。試料の液体をポンプで流しながら、個々の粒子にレーザーを当てラマン散乱スペクトルを取得することで、直径約4µmまでの微粒子の材質(プラスチック種)を識別しました。人工的に作製した様々な材質・形状の微小プラスチック粒子で実験し、水中からのリアルタイム検出が可能であることを確認しています。従来のフィルター捕集後に顕微ラマンで分析する方法に比べ、前処理なしで迅速に測定できる利点があります。このフローラマン法は、水道水・環境水の連続監視などへの応用が期待され、工業プロセスの液流中でプラスチック異物を同定する手段としても有用です

    Alexander Kissel,André Nogowski,Alwin Kienle, Florian Foschum

    粒度分布 リアルタイムモニタリング マイクロプラスチック

  • Development of a novel semi-automated analytical system of microplastics using reflectance-FTIR spectrometry: designed for the analysis of large microplastics

    ピンセットで扱えるようなサイズ(>500um)以上のマイクロプラスチック粒子の(半)自動化分析システムを開発について報告されている。大量の粒子の測定が要求されるマイクロプラスチック分析環境において、これまで、時間と労力を要するATR測定が採用されているが、開発した新しい自動化アプローチは、粒子のサイズ計測~同定までの従来のプロセスを劇的に加速させ、世界的なマイクロプラスチック分布の効率的な特定を可能にすると考えられています。この論文では、システムの概要から測定精度に至るまでが概説されています。

    Ryota Nakajima, Hiromi Sawada, Shinichiro Hayashi, Akishi Nara, Mitsunari Hattori

    マイクロプラスチック 自動化 FTIR

  • A Raman spectral reference library of potential anthropogenic and biological ocean polymers

    海洋中のプラスチック汚染研究向けに主要ポリマーのラマンスペクトル高品質データベースを構築したオープンアクセス論文です。40種の新品ポリマー、22種の海洋劣化ポリマー、17種の生物由来ポリマーの広帯域ラマンスペクトルを収録し、各ポリマーの指紋的ピークによる確実な同定を支援しています。ラマン分光の精度で微小プラスチックの種類推定が向上することが示されています。

    Emily A. Miller, Kevan M. Yamahara, Chris French, Neil Spingarn, James M. Birch, Kyle S. Van Houtan

    高分子 ラマン 判別 マイクロプラスチック