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Optofluidic Force Induction: A Workbench for Nanoparticle Characterization and Material Analytics
OF2i技術を包括的に紹介するミニレビューです。OF2iは連続生産への移行が進む産業において、ナノ粒子の単一粒子レベルでの高速リアルタイム評価を可能にする「作業台」として提唱されています。本稿ではOF2iの物理原理(光学トラップと流体力学の組合せ)を解説するとともに、工業的に複雑なポリ分散系試料への応用例を示しました。例えば、粒径が数種類混在するポリスチレン微粒子混合物のサイズ分布を1時間にわたり連続測定し、各成分の分布ピークをGaussian mixtureモデルで解析することで5峰の分布を正確に再現しています。また最近の進展として、OF2iと他分析法の組み合わせ(ラマン併用によるマイクロプラスチック同定など)や、将来の課題にも言及しています。OF2iアプローチが研究開発から生産監視まで広範に応用可能であることを示す総説です。
粒度分布
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Optofluidic Force Induction Meets Raman Spectroscopy and Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry: A New Hyphenated Technique for Comprehensive and Complementary Characterizations of Single Particles
OF2iとラマン分光、ICP-MSを組み合わせた世界初のオンライン多元計測手法を報告した研究です。弱点と強みの異なる技術を連結することで、単一粒子のサイズ・形態・化学組成・元素組成を包括的に解析可能にしました。微小流路で粒子を光学トラップしサイズ別に整列させた上で、同一粒子に対しラマン分光で材質を特定し、さらにその粒子をICP-TOFMSで元素分析しています。ポリスチレン製マイクロプラスチックや酸化チタンナノ粒子で実証し、OF2iによる粒径測定とラマン・ICP-MSによる化学種分析を同時に行えることを示しました。本手法は環境中のプラスチック粒子検出などに応用でき、粒度分布と化学組成を同時モニタリングする新しいプロセス分析技術として期待されます。
ナノ粒子 粒度分布 ラマン ICP-MS
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Optofluidic force induction as a process analytical technology
ナノ粒子製造プロセスのリアルタイム分析にOF2iを適用した研究です。OF2iは光学トラップ原理を発展させた技術で、粒子サイズ分布・濃度・組成を連続測定できる技術です。本論文では、粒径が混在する多峰系サンプル(高圧ホモジナイザー処理中の油中水エマルジョン、シリコンカーバイド粒子の凝集体など)にOF2iを適用し、処理条件の変化に伴う粒度分布の経時変化をその場観察しました。エマルジョンでは高圧条件の変化点をリアルタイム検出し、SiCナノ粒子では凝集体解離に基づく新たなプロセスフィードバック指標を提案しています。結果として、OF2iが多様な工業プロセスにおける粒子のオンライン制御・品質評価に有用であることが示されました。
ナノ粒子 粒度分布 エマルジョン
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Real-Time Nanoparticle Characterization Through Optofluidic Force Induction
光学的なナノ粒子分析手法「OptoFluidic Force Induction (OF2i)」を開発し、光学トラップと流体力学を組み合わせることで、数十nm〜数µmの粒子をリアルタイムに高感度・高スループットで計測した研究です。マイクロ流路中を流れるナノ粒子にドーナツ状レーザーを照射し、粒径に応じた速度変化を誘導することで、各粒子の径を個別に測定し、連続的な粒度分布を取得しました。実験では標準ナノ粒子でモデルを検証し、理論モデル(Mie散乱理論)とも良い一致を示しています。この手法により医薬や材料分野で多数の粒子挙動をリアルタイムにモニタリングするための新たなプラットフォームとなることが示されています。
粒度分布 リアルタイムモニタリング