CATEGORY
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Analytical Methods for In-Depth Assessment of Recycled Plastics: A Review
リサイクルプラスチック品質評価に用いられる分析法を俯瞰するレビューです。FTIR/NIR/ラマンの他,熱分析・クロマト・元素分析などを比較し,二次原料の組成・分子量分布・残留添加剤・トレース金属の把握における役割を整理。IR/Ramanはスクリーニングと詳細構造評価の両面で重要と位置づけられ,複数手法の統合解析の必要性を指摘しています。
ポリマーリサイクル FTIR NIR ラマン 高分子
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IR Spectroscopy as a Diagnostic Tool in the Recycling Process and Evaluation of Recycled Polymeric Materials
中赤外および近赤外分光を,単なる樹脂判別ではなく,分子構造・結晶性・モルフォロジー・老化度などの診断ツールとして活用するレビュー論文です。リサイクルPE/PPの組成・立体規則性・酸化劣化の評価事例や,スペクトルから物性・均一性を推定するプロトコルを整理。高性能用途に再利用するための品質保証指標としての赤外スペクトルの活用を詳述しています。
ポリマーリサイクル FTIR 高分子
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Mid-infrared spectroscopy and machine learning for postconsumer plastics recycling
ポストコンシューマープラスチックを対象に,中赤外(MIR)スペクトルと機械学習を組み合わせて材質同定しています。VIS/NIRでは色素・添加剤の吸収で分類が難しい黒色・濃色プラスチックにも有効であることを示しています。MIR吸収バンドを特徴量とし,複数樹脂(PE, PP, PET等)混在ストリームの高精度分類モデルを構築し,高度リサイクルラインへの適用可能性を論じています。
ポリマーリサイクル FTIR 高分子
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In situ dissolved polypropylene prediction by Raman and ATR-IR spectroscopy for its recycling
溶媒中に溶解したPPを,オンラインでラマンおよびATR-FTIRによりin situ定量をしています。部分最小二乗回帰(PLS)モデルを構築し,各溶媒系ごとに溶解PP濃度を精度良く予測。ラマンの方が予測性能が高いことを示し,選択溶解・ケミカルリサイクルプロセス中のポリマー濃度モニタリング手段として有望であることを示しています。
ポリマーリサイクル ラマン FTIR 高分子
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Raman spectroscopic strategy for the discrimination of recycled and virgin PET water bottles
ラマン(600–1800 cm⁻¹)とケモメトリクスを用い,バージンPETとリサイクルPETボトルを高精度に判別しています。PLS-DAで約95 %の識別成功率を達成し,PLS回帰によりボトル中の再生PET含有率も定量(R²≈0.89)。加水分解や熱履歴に由来するバンド変化を利用し,食品容器への再生材混入のモニタリングや不正検知に役立つ手法として位置付けられています。
ポリマーリサイクル ラマン 高分子
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Raman spectroscopy analysis of disordered and amorphous carbon materials: A review of empirical correlations
本論文は無秩序・非晶質炭素のラマン分光に関するレビューで、ラマンピークの帰属、スペクトル解析手法、材料構造との関連性を論じています。Dバンドは格子欠陥起因の振動、Gバンドはsp2炭素骨格由来の振動です。I(D)/I(G)比と結晶ドメインサイズLaの経験的相関やGバンド位置と構造特性の関係が議論され、これらを踏まえた「3段階モデル」により無秩序度に応じたスペクトル変化が整理されています。さらに、水素化非晶質炭素(a-C:H)におけるPL背景傾斜と水素含有量の相関も示され、様々な炭素材料への適用例とその限界が考察されています。
ラマン カーボン スペクトル解析
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Analysis of Cellulose and Lignocellulose Materials by Raman Spectroscopy: A Review of the Current Status
セルロースおよびリグノセルロース材料へのラマン分光応用を総括したレビューです。セルロースⅠとⅡ、多形や無秩序相のラマンバンド割り当てが整理されており、特に結晶度指標となるバンド(例えば93 cm⁻¹格子振動や380 cm⁻¹、1481 cm⁻¹のバンド)に基づく結晶化度(CrI)評価法が詳述されています。またセルロース分子鎖のCH₂OH基配向(tg対gt配座)によるラマン強度比(1480/1460 cm⁻¹)の変化や、水素結合状態の違いを反映するピークシフトなど、ラマンにより得られるセルロース高次構造情報について最新知見が紹介されています。
セルロース ラマン スペクトル解析
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IR spectroscopy in catalysis
ヘテロ触媒研究における赤外分光技術の展開を包括的にレビューした長大な論文(引用文献数約600)です。透過、拡散反射(DRIFTS)、ATR、光音響といったIR測定モード別に装置やセルの設計、COやNOなど吸着分子の赤外スペクトルから得られる表面サイト情報の解釈を詳述されています。特に金属表面に化学吸着したCOの赤外吸収(線形、一酸化炭素のブリッジ結合による帯など)から粒子表面の結晶面指数やサイト数を評価する手法、およびリアルタイム反応追跡へのIR応用(時間分解FT-IRや原位セル)がまとめられています。
FTIR 触媒 赤外スペクトル
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Infrared spectroscopy at the surface of carbonates
炭酸カルシウムなど炭酸塩の表面化学を赤外分光で調べたショートレビューです。カルサイト、アラゴナイト、バテライト等の結晶多形の構造を近赤外~中赤外までの吸収帯で特徴づけ、吸着したCO₂や水などの分子種による表面吸着種の赤外バンドも解析しています。特に炭酸イオンの基準振動(対称伸縮、変角振動等)の波数範囲を整理し、表面に吸着した重炭酸種のO–H伸縮振動が2400–3000 cm⁻¹付近に現れることなど、環境・工業プロセスに関連する知見を提供しています。
FTIR 炭酸塩 炭酸カルシウム 赤外スペクトル解析
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顕微赤外分光法による高分子とフィラー界面構造の可視化
ガラス繊維やタルク等の無機フィラーを含むポリマー複合材料において、マトリックス‐フィラー界面の構造を赤外顕微鏡と二次元相関分光法で解析した総説です。界面での相互作用や化学結合の形成を赤外スペクトルの変化から可視化する手法について包括的に概説されています。
高分子 FTIR 赤外顕微鏡 フィラー