アプリケーションノート

要約：ダイヤモンドは、光学的、電子的、熱的、機械的、化学的に優れた特性を持つ多機能材料として知られています。不純物の存在は、色を与えるなどダイヤモンドの特性を変える可能性があります。
ダイヤモンドは、不純物と欠陥の存在と量に基づいて分類されます。地質学的な観点からは、欠陥（不純物と欠陥）はダイヤモンドの形成と熱履歴の⼿がかりとなります。
⾚外分光法は、ダイヤモンドの窒素含有量や窒素の凝集、その他の構造的特徴を評価するために使⽤される主要な技術として定着しています。また、フォトルミネッセンス (PL) は、ダイヤモンド内のさまざまな形態の窒素不純物を検出するためによく使⽤されるもう 1 つの分光技術です。このアプリケーションノートでは赤外分光法とフォトルミネッセンスを用いたダイヤモンドの欠陥、不純物分布について説明されています。

要約：身近に用いられている樹脂などの材料は使用状況や期間などにより変色したり破損しやすくなるなど劣化が見られます。このような材料について、劣化のメカニズムに基づき、FTIR及びラマンを用いて評価を行った例を紹介します。

要約：各種エンジンや大型機械などで一般的に用いられる潤滑油は、使用するに従い潤滑効果が低下する。この劣化により機械部品の摩耗や故障の原因となる場合がある。潤滑油の分析を行うことによって、その油の交換時期を判断する方法が用いられているが、従来の方法では成分ごとに分析法が異なり、測定が煩雑であった。FTIRを用いた潤滑油分析では複数の各成分が1度に測定可能となり、簡単な操作で潤滑油の劣化が判定できる。

要約：HPLCの検出器としてFTIRを利用し、高分子中の添加剤の同定や組成分析を実施した例を紹介している。HPLCカラムで分離された溶出液をFTIRの試料室内にセットされた液体透過セルやATRアクセサリに導いてオンラインで赤外スペクトルを取得する。

要約：赤外分光法は、従来より高分子材料の構造評価に用いられてきた。またラマン分光法は赤外分光法と相補的な性格を持つ手法として知られ、従来の可視レーザー励起によるラマンを使う上で、最も大きな問題であった蛍光の影響をほとんど受けないことで注目を浴びている。さらにラマン法は測定手法が単純で、赤外で問題となる試料の形状に対するアクセサリの選択やアクセサリによるスペクトル形状の変化などに悩む必要がないことも大きな利点となる。接着剤は主に室温硬化型、熱硬化型、ホットメルト、感圧型、再湿化などに分類され、その用途も多岐にわたる。その中から、室温硬化型で触媒添加型に属する2液混合型エポキシ樹脂系接着剤の分析例を紹介する。

要約：赤外及びラマン分光法による分析は非破壊に近い状態で測定が行え、材料表面や内部構造の評価に広く用いられている。従来より接着剤や接着層のキャラクタリゼーションには赤外分光法が多用されており、接着剤/非接着物の表面・界面を分析することによりそれらの接着のメカニズムや構造変化を議論した結果が数多く報告されている。ここでは顕微ATR法、反応過程を知るためのラピッドスキャン法、FT-Raman法、及び非破壊で試料の深さ方向への分析が可能となるステップスキャン位相変調光音響法（PM-PAS）について応用例を紹介する。

要約：FT-ラマンは波長の長い励起光を用いており、サンプルの熱分解や蛍光による妨害を防ぐことができる。特に、高分子では、合成過程で蛍光を発する不純物が微量混入することが多く、FT-ラマン分光法による測定の方が適していると言われている。一般的に、IRの透過測定では、出来るだけ薄いサンプルを作製する必要があり、適度の厚みを有する透過用試料を得ることが難しいが、ラマンでは、サンプルの厚みを考慮する必要がなく、小さな破片で測定が可能であることが大きな特徴である。高分子の構造はIRやラマン分光法で調べることが一般的であるが、多くの研究は、IR分光器を用いたものである。1,2) 今回、FT-IRとFT-ラマン分光法を用いて高分子材料の構造変化を調べたので、ここに報告する。

要約：・FT-NIR分光法によるセルロースエステルの識別
・Nicolet iS50 NIRモジュールの使用
・セルロースエステルの種類と特性
・実験方法と結果
・逆転法の確立とその応用
・セルロースアセテートの実用的な評価

要約：・カーボンブラックとそのゴム製品のFT-IRによる分析
・高い屈折率を持つドイツ製ATRクリスタルの利用
・ATRスペクトルと伝送データベースの比較
・新しいATR補正技術の紹介とその有効性
・OMNIC Spectaソフトウェアの活用

要約：TGA-IRと透過法を組み合わせた土壌分析で、有機物質の検出と定量化を実現
土壌中の水分や二酸化炭素、アンモニアの放出を通じて土壌の化学組成を解析
特定の汚染物質（例: トリクロロベンゼン）の同定が可能で、環境調査に応用
TGA-IRはゴムやポリマーの失敗分析だけでなく、土壌の窒素含有量の推定にも利用
新しいNicolet 380 FT-IR分光計は高感度で土壌分析の新たな可能性を提供