粒子計測基礎と分散に関するブログ(分散・凝集の基礎から粒子測定まで)その②

粒子をどう測る? 代表的な方法を比較する
粒子測定にはいくつかの代表的な方法があります。それぞれ得意分野が違うので、「どれが一番優れているか」ではなく、何を知りたいかに応じて選ぶことが重要です。
[DLS:すばやく平均的な大きさを見る方法]
DLS(動的光散乱法)は、液中で粒子がブラウン運動する速さを、散乱光のゆらぎから調べる方法です。比較的短時間で測定でき、ナノ〜サブミクロン領域の試料を手軽に見るのに向いています。
ただしDLSは、少数の大きな粒子や凝集体の影響を強く受けやすいという特徴があります。そのため、「平均としてどう見えるか」を素早く知りたいときには便利ですが、サイズの異なる粒子が混ざっている複雑な試料では解釈に注意が必要です。
[NTA:一粒ずつ見て分布をつかむ方法]
NTA(ナノ粒子トラッキング解析)は、粒子を動画で追いかけて、1粒ずつの動きからサイズ分布を求める方法です。個数ベースで考えやすく、異なるサイズが混ざった試料でも比較的わかりやすく評価できます。
DLSよりも「どんな粒子が何個くらいあるか」に近い感覚で見られるのが利点ですが、測定条件の影響を受けやすく、粒子の見え方や明るさによっては解析が難しくなることもあります。
[レーザー回折:広いサイズ範囲を一気に測る方法]
レーザー回折法は、粒子に光を当てたときの回折・散乱パターンから粒径分布を求める方法です。広いサイズ範囲を短時間で測れるため、工業用途や工程管理でよく使われます。
大量の試料を効率よく扱えるのが強みですが、微量の凝集体やごく近いサイズ同士の細かな違いを見分けるのは得意ではありません。どちらかといえば、全体像をすばやく把握する方法と考えるとよいでしょう。
[超音波法:濃い・濁った系でも測りやすい方法]
超音波法は、光ではなく音の減衰を利用して粒子を測る方法です。光が通りにくい濃厚スラリーや濁った試料でも、そのまま測定しやすいのが魅力です。
つまり、DLSやNTAのような光学法が扱いにくい試料に対して、無理に薄めずに評価しやすいという利点があります。工程中の連続測定にも向いていますが、解析はモデルに依存するため、前提条件の理解が必要です。
[Brave AnalyticsのOF2i技術とは何か]
ここまで紹介した方法に対して、Brave Analyticsが展開する新技術OF2i(Optofluidic Force Induction)は、ユニークな考え方を採用しています。
この技術では、マイクロ流路を流れる粒子に対して、レーザーの光の力を利用します。粒子は光の影響を受けると、光ピンセットの原理と光による抗力や推力を利用することにより、サイズや性質に応じて動き方が変わります。その速度変化や散乱光を観察することで、粒子サイズや濃度の情報を得るのがOF2iの基本的な考え方です。
ポイントは、従来のDLSのようにブラウン運動の平均的な揺らぎを見るのではなく、単一粒子の分解能で情報をとらえられるところにあります。
OF2iの強みは「変化を追いやすい」ことにあり、注目される理由のひとつは、リアルタイムで変化を追いやすいことです。
粒子分散では、時間とともに凝集が進んだり、逆に溶解が進んだり、相分離が起きたりします。こうした変化は、最終状態だけを見ても途中の過程がわからないことがあります。
OF2iは、こうした動的な変化を短い時間スケールで追跡が可能で、「今この瞬間に何が起きているか」を見たい場面に向いています。連続プロセスの監視や、分散条件の最適化などでは特に相性が良いと考えられます。
さらに、少量サンプルで測定できる点や、少数の粗大粒子・外れ値の存在を見つけやすい点も大きな特徴です。従来法では平均値の中に埋もれてしまいやすい変化を、別の角度からとらえられる可能性があります。
光を利用する技術である以上、粒子のサイズだけでなく、材質や屈折率といった光学的性質の影響も考慮する必要があります。
[同時ラマンスペクトル測定技術」
B-Elementalyは粒子のラマンスペクトルの同時測定により、粒子の同定も可能で、異物やマイクロプラスチック粒子の判別などに有効です。
つまりOF2iは、既存法をすべて置き換えるというよりも、従来法では見えにくかった挙動を補完する手法として捉えるのが現実的です。
また、Brave Analytics社ではB-Phatという粒子の画像観察により、粒子サイズ、形状、球度などを迅速に観察する機種も用意されています。
測定法選びで大切なのは「何を知りたいか」ここまで見てきたように、粒子測定にはそれぞれ異なる特長があります。
平均的なサイズ変化をすばやく知りたいならDLS。
個々の粒子分布を見たいならNTA。
広い範囲を効率よく測りたいならレーザー回折。
濃厚で光が通りにくい系なら超音波法。
動的変化や異常粒子、粒子の同定にはOF2i。
このように、測定法は目的によって使い分けるものです。
大切なのは、測定値をひとつの絶対値として受け取るのではなく、
「その数字は、何をどう測った結果なのか」を理解したうえで使うことです。
まとめ
粒子分散の世界では、「小さくすること」と「安定に保つこと」が常にセットで問われます。粒子は細かくなるほど表面の影響が強くなり、思い通りに扱うのが難しくなります。
そのため、粒子径だけを見るのではなく、凝集のしやすさ、沈降のしやすさ、表面状態、分散剤との相性などをあわせて考える必要があります。そして、その評価を支えるのが粒子測定技術です。
DLS、NTA、レーザー回折、超音波法、そしてOF2i。どの方法にも得意な場面と苦手な場面があります。だからこそ、測定法の違いを知ること自体が、粒子を正しく理解する第一歩です。
Brave AnalyticsのOF2iは、そうした測定の選択肢を広げる新しい技術として注目されています。特に、粒子の時間変化や少数の異常粒子を丁寧に追いたい場面では、今後ますます存在感を増していくかもしれません。
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Brave Analytics社の粒子計測の新技術「OF2i 高分解能粒度分布測定装置」についてはコチラ
https://dyna-researchlab.com/products/of2i/
